ブログ
2022/8/30
初心者のための『能楽塾』は、初心者が能楽を見て楽しむための勉強会です。
毎回代表松村が能楽の基礎知識を前半の30分で解説し、後半は飯冨先生が実際に開催される能楽公演の演目の見所を解説していただきます。
今回はこの講座で解説する能楽の基礎知識についです。
これから初めて能楽を観られる方、
能楽塾に来られた方の復讐としておすすめです。
それでは、まず能楽の役割についてです。
上の写真をご覧ください。
舞台の中心で舞い、
主人公を演じる役割をシテ方、
相手役をワキ方と言います。
松の絵が描かれている板の前に並ぶ楽隊を囃子方(はやしかた)と言います。
まずは、大きな役割としとしてシテ方と囃子方に分かれるということを認識してください!!
もう少し付け加えると、、、
上の写真の右側に横2列に並んでいる人達を地謡(じうたい)と言い、シテ方が担当します。
能楽の世界では全て専業になっており、
シテ方がワキ方をすることはありません。
もちろん、囃子方も小鼓の人が大鼓を担当することはありません。
だんだん複雑になってきました、、、
最後に狂言方があります。
えっ!!
狂言って能なの????
と思われる方も多いのではないでしょうか?
じつは、狂言はもともと能の演目の途中に話と話を繋げるために途中に出てくる能の演出として登場していました。
狂言も狂言方という専門職になるため、狂言だけの演目も沢山あります。
基本は能の演目に登場しますが、狂言だけの演目もあると認識してください。
能楽の役割をまとめると、
舞う人は、シテ方(主役)・ワキ方(相手役)・狂言方
楽隊は、囃子方(笛・小鼓・大鼓・太鼓)
の4つの役割で構成されています。
次に能楽の種類についてです。
上の写真のように、
装束付きの舞、囃子、地謡のすべてがそろった演出を能と言います。
装束ナシの舞、囃子、地謡の組合せは舞囃子といいます。
装束ナシの舞、地謡のみを仕舞(しまい)と言います。
楽隊のみを素囃子と言います。
謡のみを素謡と言います。
上の写真のように1人で謡場合は独吟と言います。
それでは能楽の種類をまとめます。
能・・・装束付き舞+地謡+囃子
舞囃子・・・装束ナシの舞+地謡+囃子
仕舞・・・装束ナシの舞+地謡
素囃子・・・囃子のみ
素謡・・・謡のみ
最後にちょっとややこしいことを、、、
じつは、これら5つの種類はすべて能楽の種類です。
私達はよく能、能と呼びますが、、、
能は能楽の1つで、、、
装束がない演出は能ではありません!!
ということは、、、
能は能楽の演出の1つであるということを認識してください!!
最後に、演目の種類についてです。
能楽の演目は主人によって5種類に分けられます。
主人公が神様の場合・・・初番目物(脇能物)
主人公が武将(男性)の場合・・・二番目物(修羅物)
主人公が女性の場合・・・三番目物(蔓物)
他に分類されない場合・・・四番目物(雑能)
人間以外(鬼・天狗・妖精、、、)・・・五番目物(切能)
まとめ
以上が能楽の基礎知識です。
能楽の役割
シテ方・・・主人公と地謡
ワキ方・・・シテの相手役
狂言方
囃子方・・・笛、小鼓、大鼓、太鼓
能楽の種類
能・・・装束付き舞+地謡+囃子
舞囃子・・・装束ナシの舞+地謡+囃子
仕舞・・・装束ナシの舞+地謡
素囃子・・・囃子のみ
素謡・・・謡のみ
演目の種類
主人公が神様の場合・・・初番目物(脇能物)
主人公が武将(男性)の場合・・・二番目物(修羅物)
主人公が女性の場合・・・三番目物(蔓物)
他に分類されない場合・・・四番目物(雑能)
人間以外(鬼・天狗・妖精、、、)・・・五番目物(切能)
少し能楽について分かっていただけたでしょうか?
能と能楽の違いが分かるだけでも大きい進歩です!!
能楽の価値観は、現代の日本人の価値観と大きい違いがあり、
私達にとって能楽は不思議なことが沢山あります。
違う価値観を理解することは新しい世界が広がることになります。
能楽を通して新しい世界の扉を開きませんか?
次回は、能楽を簡単に楽しむ方法をご紹介します。
関連イベント
初心者のための『能楽塾』
関連ブログ