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そもそも「能」とは?
みなさんは能と聞くと、どんなイメージがありますか?
お神楽が流れている中で、能面を付けて着物を着た人達が踊っていて…
という場面を想像する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし能というのは、実は「能楽」の中の一つの種類です。
この記事では、熊本で能が盛んである背景や
能楽の基礎的な知識(役割、演目の種類)、
熊本で鑑賞できるイベントスケジュールをご紹介します。
(ちなみに、能は「踊る」とは言いません。「舞う」と呼びます。
しんとした空気を感じる、風情がある言い方ですよね)
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熊本で「能」が盛んな背景
![](https://officeemu.jp/wp-content/uploads/2019/11/2-2.jpg)
古来、能は神様に捧げる舞として神社仏閣で奉納されていました。
現在でもお正月や大祭など重要な祀りでは
能が奉納され各地域に根付いています。
特に熊本は、藩主細川家が「利休七哲」の1人に数えられる細川三斎を筆頭に
文化水準の高い家柄でした。
そのため江戸時代では、徳川御三家の紀伊藩・尾張藩・前田藩・伊達藩、
そして細川藩が、能の盛んな地域だったと言われています。
初心者でも大丈夫。能の楽しみ方アレコレ
さて、ここからは能に関する基礎知識をご紹介していきます。
1.能楽の「役割」
登場人物の役割には呼び名があります。
まず「シテ方」と言われるのが、いわゆる主役。
地謡(じうたい)とも言われます。
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シテの相手役を演じるのが「ワキ方」。
![](https://officeemu.jp/wp-content/uploads/2022/08/DSC04001-1024x680.jpg)
そして、能の合間・または途中で登場する「狂言方」。
![](https://officeemu.jp/wp-content/uploads/2022/08/DSC07604-1024x680.jpg)
楽隊は「囃子方」と呼ばれ (笛・小鼓・大鼓・太鼓)が加わります。
現代で言うところのミュージカルのような構成ですね。
このように、能楽には「音楽」「ミュージカル」「日本中世文学」
(和歌:万葉集・古今和歌集、古典文学:竹取物語・伊勢物語・源氏物語・平家物語)
といった要素が含まれています。
歴史や文化的な能楽の楽しみ方は、他にもたくさんあります。
2)能学の種類
そもそも「能」と言われるものは、全ての要素が詰まったフルセットの舞台です。
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一番シンプルなものが「素謡(すうたい)」で、これは謡のみです。
![](https://officeemu.jp/wp-content/uploads/2022/08/8-3-1024x1024.jpg)
次に「素囃子(すばやし)」といって、お囃子のみの舞台。
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そして紋付袴での舞と地謡(じうたい)で構成される「仕舞(しまい)」、仕舞に囃子が加わった「舞囃子(まいばやし)」。
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そして、装束付の舞と地謡、囃子と全てが揃った「能」という順番です。
![](https://officeemu.jp/wp-content/uploads/2022/08/DSC07611-1024x680.jpg)
これらの順序はとても厳格に定められており、
略式のものに上位のものを組み合わせることはできません。
例えば素謡のみに装束を加えることはできず、
「装束を付けるときには囃子をつけなければならない」
というルールがはっきりとあります。
能楽ではこのような伝統を大切に重んじ、現代に受け継がれています。
3.演目の種類
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続いて、演目の種類について見ていきましょう。
能は主役が何かによって、以下のように分けられています。
初番目物(脇能物) …神様
二番目物(修羅物) …男性、武将の亡霊
三番目物(蔓物) …女性
四番目物(雑能)…他の分類に属さないもの
五番目物(切能) …人間以外(鬼・天狗・妖精)
つまり、主役が神様の場合は「初番目」という言い方をします。
これが能の「番組」と呼ばれるもので、
昔は一番目(初番)から五番目まで通しでやっていました。
現代でも五番立てで行うのが正式な形です。
余談ですが、テレビの番組表は、この「番組」から来ており
能の用語から現代の日本語になった言葉は、他にもたくさんあります。
例えば、いくつかの条件が整った状態を「三拍子揃う」
と言いますが、これは小鼓・大鼓・太鼓の3種が揃った状態から来ています。
こんな語源について学ぶことも、能楽の楽しみの一つです。
どこで鑑賞できる?
能楽が盛んな熊本では、現在でも能の奉納が脈々と行われています。
これらは神様に奉納する神事のため誰でも見ることができます。
そしてなんと…無料です!!
初心者の方は、まずはここから
能を観る機会を増やしてみてはいかがでしょうか?
熊本能楽奉納スケジュール
1月5日
松囃子 北岡神社11時頃~/藤崎八幡宮13時頃~
8月第1土曜日
薪能 出水神社/18時半~
9月敬老の日
藤崎八幡宮秋季例大祭 段山御旅所/9時~
毎年夏開催
熊本 万作・萬斎の会「狂言の会」
毎年お正月に奉納される松囃子に加え、
熊本県最大の大祭である
「藤崎宮秋の例大祭」は400回以上も奉納されています。
そして、出水神社の「薪能」も60回を越えます。
どちらも長い歴史が脈々と引き継がれています。
一般公演では、野村萬斎さん出演「熊本 万作・萬斎の会」が
毎年夏に熊本で開催されています。
もっと「能楽」を楽しみましょう
オフィスエムでは、各公演の約1か月前に
事前勉強会を開講しています。
当日舞われる演目についての解説をはじめ、
能楽をもっと楽しめるようになるように
充実した内容の能楽講座です。
初心者の方を対象としていますので、お気軽にご参加ください。