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日本のやきものは、陶器と磁器2種類があります。
まずは大まかな違いをご説明した後に陶器についてお話いたします。
原材料の違い
陶器
「土もの」とも呼ばれるように、陶土と呼ばれる粘土が原材料です。
ひび割れが起きやすいため、ガラスの材料となる珪石(けいせき)や長石を混ぜて使います。
磁器
こちらは「石もの」と呼ばれ、原材料は石英や長石などの陶石です。
これらを粉砕して粉にし、粘土と混ぜて使います。
焼き方の違い
焼く工程における違いは主に2つあります。
(1)温度
陶器:800~1250℃
磁器:1200~1400℃
(2)焼く方法
酸化焼成
窯内に酸素を十分に取り込んで、徐々に温度を上げ青白い炎で焼きます。
還元焼成
窯内の空気の流れを遮断して、不完全燃焼の状態で焼きます。
赤黒い炎で一酸化炭素を発生し、黒い煙が出ることも。
燃料の種類や供給のタイミングが難しいため、高度な技術が必要です。
陶器は酸化焼成と還元焼成のどちらでも焼くことができ、磁器は還元焼成のみです。
陶器は素地の隙間が大きいため空気が入りやすくなります。
その結果、空気の層が熱を伝えにくくするため、熱いものを注いでもゆっくり温まる、一度温まると冷めにくい特徴を持っています。
また、水が腐りづらく特に夏など花のうつわに最適です。
陶器の最大の魅力は何と言っても「土そのものの表情と釉薬表現」です。
まずは「土」の魅力です。
写真1枚目は備前焼、大桐大氏の作品です。
手前は素地に火襷(ひだすき)が出ており備前らしい風合いです。
2,3枚目の写真は信楽焼、武田浪氏の作品です。
丸皿は信楽の土ですが、徳利は琵琶湖の周りで自身で掘り生成したオリジナルの土で鬼ヶ島という名がついています。
このように、有名な備前・信楽・丹波など以外の土も使われておりそれぞれに特徴があります。
次に「釉薬」(ゆうやく)です。
釉薬とは、原料の粘土などを成型後表面にかける薬品のことで「うわぐすり」とも呼ばれ、焼くことでガラス状になり器の表面をコーティングする。
材料は種類によって異なりますが、代表的なものに灰釉(はいゆう・かいゆう)があります。これは草木の灰と、長石などの砕いた土石類を水で熔いたものです。
釉薬は素焼きの後に施釉(せゆう:釉薬を塗ること)します。本焼きをすると釉薬が高温で熔けて、陶磁器の表面でガラス質になります。
写真1枚目は一道窯(熊本県)の三島手の向付です。
2枚目は鹿田焼、坂本創作
3枚目は唐津焼、藤ノ木土平作の朝鮮唐津です。
日本のうつわは他の国のうつわと違い
土の素材、色、形の種類が豊富です。
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