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2024/1/30
医師 稲葉俊郎先生は現代医療の現場にいながら、
日本の古い「芸道」にはこころとからだの全体性を取り戻し、心身を調和させる予防医療としての効果があると考えられています。
西洋医学では病気を「敵」とみなし、「闘う」「治す」という概念のため「病気が治るから元気になる」という考えになります。代替医療・養生法では、「元気になったから病気がよくなった」と考えますので「日々元気に楽しく暮らすための手段を考え、それが結果として病気が良くなることもある。」という概念になります。
日本の「芸道」の世界は医学的にも理に適っており、
茶道のお点前や能の舞では丹田を中心にして重心を下げて、からだを安定させることで、こころも安定させます。「心身一如」を重視する日本の「芸道」には呼吸法や瞑想など部分や要素に分けて実践する方法論ではなく、
からだやこころの全体性を扱いからだを動かしつつ、呼吸もしつつ、瞑想もしつつからだを安定させることで元気を取り戻す効果があります。
健康とは、
『こころとからだの全体性の回復』
だと稲葉先生はおっしゃいます。
殺伐とした日々を過ごしていると、何が心地いい状態なのかわからなくなり、「物質的に満たされればいい」という錯覚に陥りますが、外にあるものではこころは満たせられません。
自分にとって心地よい「芸道」を見つけ、
自分がずれてバランスが悪くなったら元の状態に戻せるようになると病気の予防になります。
地震の多い日本では古より、自然と争ったり闘ったりせず、いかに共存するかという深い知恵に溢れています。日本国は第二次世界大戦の敗戦により西洋の概念が移植され、古いものを一度捨ててしまい、「ものが豊であることがしあわせだ」という仮説を立て国を立て直しました。
「自然を支配する」という考えに基づいた近代科学は表面だけを見て、わからないものを排除し分断し全体性を失った偏った世界を作ってしまいました。
古人は大自然の中で作物を育て、天地・自然に祈り、自然の植物から家や衣服を作りました。
いまこそ、歴史や伝統の中からその知恵をもう一度発見し現代の息吹を加えて歴史をつなぐ必要があります。
形だけ真似るのではなく、そこに滔々と流れる魂をこそ次の世代につないでいかないといけない。
そういうつなぎ目の時代なんだと稲葉先生は考えられています。
オフィスエムの教室・イベントは稲葉先生のお考えを参考に健康に配慮したプログラムを心がけています。
茶・花・書・能など様々な教室をご用意しております。
どの教室も単発で受講いただけますので色々な教室を体験され
皆さまにとって心地よい教室をお選びください。
『日本文化と健康』をより深く学び提供するために稲葉先生の講演会や勉強会を不定期で開催しています。
健康に興味のある方はどなたでもご参加いただけますのでお気軽にお申込みお待ちしています。
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稲葉俊郎
1979年熊本県生まれ。
1997年熊本高校卒
2004年東京大学医学部卒
東京大学医学部附属病院を経て、2020年4月から軽井沢に拠点を移す。現在は軽井沢病院院長。心臓が専門で在宅医療などにも従事。山形ビエンナーレ2020・2022・2024芸術監督、SWITCHインタビュー 達人達「大友良英×稲葉俊郎」(NHK)、暮らしの手帳など多数の書籍への寄稿等多方面で活動中。