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床の間では、掛軸・花入れ・敷板3つの要素が基本です。
これら3つの要素を組み合わせて季節の移ろいを表現しおもてなしをします。
床間とは、、、
床間(とこのま)とは、日本の住宅のうち格式を高めた客間などに設けられる一定の空間。
正しくは「床(とこ)」で、「床間」は俗称とされる。
ハレの空間である客間の一角に造られ、床柱、床框などで構成されている。
掛け軸や活けた花などを飾る場所である。
ウィキペディアより
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BA%8A%E3%81%AE%E9%96%93

掛軸
掛軸は中国で北宋時代にはじまり、日本には飛鳥時代(約1000年前)に伝わりました。
茶の湯の流行と共に掛軸も一般にまで広がり、
来客者、季節、昼夜の時間を考慮して掛軸を取り替える習慣が生まれた。
掛軸の種類は、仏画、水墨画、墨蹟(禅僧の書)、古筆(平安~鎌倉時代の美しいかな書)など多種多様です。
現代では、暮らしの中で季節を楽しむ道具として、
床の間だけでなく、リビング・玄関などに飾られ楽しまれています。
ホストの思いをゲストに伝え、先人の想いを子孫に伝え、日本人の長い歴史に培われた「美」を表現する大切なお道具です。


花器
掛軸は仏教が発祥なので、花器も仏器である古銅との相性が良いです。
茶の湯の世界では様々な物を花器として使うようになり
現在では季節に合わせて竹籠・磁器・陶器・硝子など様々な花器を使います。


敷板
ほとんど注目されることがない悲しい道具ですが、じつは道具の組合せのアクセントとしてとても良い仕事をします。
本来の目的は畳を傷めないために花器の下に敷きます。
籠の花入は中に水を入れる受筒があるので籠そのものが、敷板の代わりをすることになので敷く必要がありません。



それでは具体的に床間に室礼をしていきましょう。
掛軸は鄭東珠(チョン・ドンジュ)さんの『叶』という力強い書に、
オフィスエムオリジナルの花のうつわ(白磁)と敷板を組み合わせました。


掛軸の生地がモダンなので、敷板は黒色の面を上にしました。

掛軸は片付けが難しいので初心者の方は額をおススメします。
チョンさんの薄墨の作品です。


オリジナルの花のうつわと敷板ですが、デザインが違うとまた雰囲気が変わります。

チョンさんの代表作『心音 さざ波』シリーズ。
絵画を飾るとグッとお洒落な床間の室礼になります。



床間は季節ごとに掛軸を掛け替え、野の花を活け四季を楽しむ場所です。
あまり難しいことは考えず、お好きな掛軸・花器・敷板と季節の花をいけ床の間の暮らしをお楽しみください。
現代では床間のない家が多いです。
そこで、何もない壁だけの空間を作り台を置きみたての床の間を作るのはいかがでしょう。
玄関は特におススメです。
サロンの玄関。
チョンさんの小さな額の作品と花のうつわ(白磁)をあわせました。
床間が板の場合は敷板は基本的に不要です。

秋の室礼道具展での様子。

鄭東珠(チョン・ドンジュ)さんの作品はオンラインショップにてご購入いただけます。
https://shop.officeemu.jp/view/page/chung

オフィスエムオリジナル商品
花のうつわ
購入はコチラより。


ギャラリーエム
室礼師松村が選んだ暮らしのうつわ、季節の室礼道具をはじめ
オフィスエムプロダクト商品(SUKI、Black&White、花のうつわ、、、)を
展示販売しています。


文章 松村篤史
室礼師・オフィスエム代表
1978年10月3日生まれ 天秤座 O型
1997年3月、大阪あべの辻調理師学校卒業
卒業後は調理師としてロンドンで約2年働く
帰国後は家業の飲食店を管理、運営。
山荘無量塔の故藤林社長との出会いにより旅館業(接客、フロント)に携わる。
ロンドンから帰国後、日本文化に興味を持ち茶道・花道の勉強を始める。
旅館という舞台で日々花をいけ、室礼、お客様をもてなすことで独自の接客スタイルを確立。
35歳の時に独立、オフィスエムを立ち上げ室礼師として旅館の床の間を中心に様々な場所の空間コーディネイトを提案している。
2018年より価値伝承師として文化・食の普及活動をスタート。
最後に季節ごとの床間の室礼をご紹介します。
正月
掛軸は祝言曲『翁』。
花は松竹梅を少し荒れた風情にあえていけてみました。。



春、桃の節句
掛軸は鳩居堂のお雛様の葉書を額に入れました。


黒の額にするとイメージが変わります。


花は乙女椿と猫柳。

初夏
蛍の掛軸。
花は、涼やかな竹籠に蛍袋とどくだみ。


八十八夜の室礼です。
蓮月の煎茶の画賛。
竹籠の花にお茶の木を加えました。

秋、お月見の室礼。
円相の掛軸を月にみたてました。
芒の苔玉。
アクセントに燭台を飾りました。



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