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茶事とは、、、
茶事はお茶だけでなくお食事も出てくる究極のおもてなしです。
茶会と言えば、お点前を拝見してお茶を一服いただくのが一般的なイメージだと思います。
茶会で出される泡立てられた抹茶は薄茶(うすちゃ)です。
茶事では濃茶(こいちゃ)が薄茶の前に出されます。
濃茶は、抹茶を薄茶の倍の量を入れ少量のお湯で練ったもので
本来、茶道のお茶は濃茶が主役です。

茶事では、
まずお湯を沸かすために炭点前をします。
湯が沸く間に茶懐石をいただきます。
食事が終わるころにちょうど湯が沸きますので、
最初に濃茶、次に薄茶をいただいて終了です。
美しくカットされた炭、綺麗に火がおこり湯が沸く音は心が和みます。
茶懐石は日本料理の原点です。
茶事にはお客様をもてなす様々な仕掛けがあります。
それでは具体的に茶事の流れをご説明します。
まず、事前にご案内状が届きます。
茶事は今でいうホームパーティーのようなものです。
申し込むものではなく招待されるものという認識の方が良いかもしてません。

当日は直接茶室に入るのではなく、
まず待合という部屋で荷物をまとめご一緒する方にご挨拶をし茶室に入る準備をします。


準備ができたら腰掛という庭にある東屋に移動し亭主のお迎えを待ちます。

亭主のお迎えがあったら一人ずつ茶室に入り床間を拝見します。


最初にお湯を沸かすために亭主が炭を入れます。
これを炭点前といいます。



炭点前が終わったらお湯が沸くまで時間がかかりますのでその間に懐石が出てきます。
まず最初に蒸らす前の炊き立てご飯、汁、向付が出ます。



次にお酒が進められます。



ご飯・汁のおかわり


煮物椀

焼物・炊合せ・強肴

箸洗い

八寸(海の物・山の物)


湯桶・漬物
湯桶で飯椀・汁椀・向付を綺麗に清め亭主にお返します。



懐石が終わったらお菓子をいただいたら一度茶室を出て腰掛で一息つきます。




お客様が茶室を出たら、亭主は掛け軸を掛花入れに変え床間を模様替えをします。


銅鑼の音が聞こえたら入室の合図です。
もう一度茶室に入ります。

炭もおこり、湯が沸いていますのでここから濃茶のお点前です。
濃茶は厳粛なものなのであまり話はせず静かにお点前を拝見します。


濃茶が終わったらお薄です。
お薄は濃茶とは違ってお気楽にということで煙草盆が運ばれ、場も和み客も亭主も会話を楽しみながらリラックスした雰囲気でお茶をいただきます。


茶室から出る時に亭主がお見送りをし終了となります。
お茶はただ飲むだけでなく、部屋を出入りしたり、小間から大広間に移動したり色々な道具や料理など様々の仕掛けでお客様をもてなすことができます。
客人はその亭主の思いを汲み取り心を通わせることが茶道です。
お点前ができるだけでなく、掛軸の意味や道具の知識、洗練された言語能力があってはじめて茶事が成立します。
これは、会合や商談も同じではないでしょうか?
仕事に対する深い知識、知性のある会話によってお客様から信頼を獲得し円滑に商談を進めることができます。
茶事を非現実と思わず、アフタヌーンティーのような身近なお茶、食事の時間ととらえると、茶道の洗練された作法はきっと仕事、暮らしにも良い影響を与えてくれるはずです。
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文章 松村篤史
室礼師・オフィスエム代表
1978年10月3日生まれ 天秤座 O型
1997年3月、大阪あべの辻調理師学校卒業
卒業後は調理師としてロンドンで約2年働く
帰国後は家業の飲食店を管理、運営。
山荘無量塔の故藤林社長との出会いにより旅館業(接客、フロント)に携わる。
ロンドンから帰国後、日本文化に興味を持ち茶道・花道の勉強を始める。
旅館という舞台で日々花をいけ、室礼、お客様をもてなすことで独自の接客スタイルを確立。
35歳の時に独立、オフィスエムを立ち上げ室礼師として旅館の床の間を中心に様々な場所の空間コーディネイトを提案している。
2018年より価値伝承師として文化・食の普及活動をスタート